市街化調整区域とは、都市計画区域の中で市街化が抑制される区域で、農地や山林などが中心。原則として都市化を助長するような開発が制限され、住宅などの建物は許可なく建てられない。区域区分はおおむね5年ごとに実施される基礎調査に基づいて変更できるが、農地の転用には厳しい制限がある。

そうした規制がかけられた表向きの理由は乱開発を避けることだが、実際にはこれは官僚支配と縦割り行政のものすごく悪い例なのである。都市部に点在する市街化調整区域内の農地で本格的に農業をやっている農民は極めて少ない。大規模化もできないから、いずれは売りたいという人が大半で、手のかからない栗や梅などを植えている。なかには運動場や駐車場に転用しているケースもある。しかし、農地である限りは農林水産省や農業協同組合の“領地”である。これを住宅地や商業地、道路などに転用すれば、他省庁に権限が移ることになるから、もともと権益を握ってきた彼らがなかなか手放さないのである。