もちろん私も「小泉構造改革」は評価していない。しかしそれは「弱肉強食社会を作ったから」ではなく、むしろ(つぶすべき道路公団の延命や、役割のなくなった郵政三事業の民営化など)テーマの選択を間違ったうえに中途半端で終わったことが問題なのだ。それなのに政府は今、消費者保護、外資規制、雇用規制などのルールを新設あるいは強化しようとしている。それ自体はどれも必要な対策のように見える。しかし問題なのは、その動きが「国を発展軌道に乗せるために、どうやって産業を伸ばすか」という視点から論じられるのではなく、「不祥事を取り締まるために(つまり役人の権限を強化するために)どうやって産業を規制するか」という方向に向かっていることだ。何か問題が起きるたびに対症療法的に産業や企業を規制したら、経済がどんどん衰退するだけである。