まず前提となるのは、今のところ日本は“突然死”するような状況にはない、ということだ。なぜなら日本はアメリカやギリシャとは異なり、海外から借金をしていないからである。アメリカの場合、クリントン政権以降16年間の繁栄は、海外からの借金によるものだった。いわば、他人のふんどしで相撲をとっていた。米ドルや米国債という“約束手形”も乱発していた。したがって、もし海外から借金できなくなったり、約束手形が不渡りになったり(=米ドルの信用がなくなって米国債の格付けが下がったり)したら、その途端に破綻してしまう。つまり、アメリカは構造的に突然死する危険性があるわけだ。

一方、日本はそういう構造ではない。国債残高が700兆円を突破して国民1人当たりの“借金”(公的債務残高/国債や借入金の合計)が約700万円に達し、財政再建が焦眉の急となってはいるが、他国からの借金である「対外債務」はほとんどない。日本の国債は大部分を国内の銀行や生損保、公的年金などに販売しており、海外への販売は約6%にすぎない。自国民とその子孫からは借金をしているが、海外からは借金をしていないのである。そういう国は、世界にほとんどない。だから経済政策は、少しぐらい時間がかかっても、腰をすえて、やるべきことをやればよい。