では、現在の為替は、主にどのようなメカニズムで決まると考えられているのか? まず、1980年代初めに登場した「金融平価(Financial parity)」という概念がある。これは、たとえば円とドルのどちらに投資しても、将来のリターンが同じになるように為替レートが決定される、という考え方である。つまり、今、どの通貨にも交換可能な資金を持っているとする。そのお金で円に投資した場合とドルに投資した場合のどちらが得かを計算すると、たとえば3年後の指標を取れば、その時に期待されるリターンがイコールになるように現在の為替レートが決まるはずだ、というものである。

金融平価を決めるのは、基本的には金利とインフレ率、そしてカントリーリスクだ。他にも要素はあるが、主にこの3つを考える。まず金利で決め、それをインフレ率で計算し直す。金利が高くてもインフレ率が高いと相殺されてしまうからだ。そしてカントリーリスクを加味する。カントリーリスクがないとすれば、金利をインフレ率で割り戻した差額を埋めるように(3年後なら3年後に返ってくる金額が同じになるように)為替レートが決定される、と考えるわけだ。