それまで、かなりの学者は「大きな政府」(守旧)派と「小さな政府」(改革)派に二分していた。後者には、私が『平成維新の会』を結成した時、その趣旨に賛同してくれた人も多い。たとえば、東京大学の佐々木毅教授は民間臨調などを通じて政治改革を求める「小さな政府」派の筆頭に立っていた。それが今や東大学長に就任して極めつけのエスタブリッシュメントになっている。上智大学の猪口邦子教授も政府に批判的な意見を積極的に発言していたが、ジュネーブ軍縮会議大使となった現在、その面影は全くない。それでもお国のためになる仕事をしてくれているわけだから、文句を言われる筋合いはないだろう。ただ、彼らが若い頃の見識に磨きをかけていてくれたら、もしかすると、この国を大いに変えてくれていたかもしれない、と思う私にとって残念なだけだ。(中略)

佐々木教授と猪口教授の2人は、政府の審議会や懇談会の委員ポストというアメで官僚に手なずけられて御用学者となった代表的な例だが、私の知る限り、今や本気で政府を批判している学者は日本に1人もいない。なぜなら、政府に逆らったら、学者として生きていけないからである。政府に批判的な学者のところには文部科学省の予算が来なくなり、逆に政府べったりの“政商学者”になれば、その人の研究に対して何十億円もの予算が付いたりするのである。