80年代後半~90年代以降は金融平価も通用しなくなった。「ポリティカル・パラダイム」が登場したからだ。たとえば、アメリカのポール・ボルカーFRB(米連邦準備制度理事会)議長(当時)が「現在のドルは高すぎる。もつとドルを安くしろ」と日本に要求する。それを宮澤喜一蔵相(当時)が呑む。そうすると、為替はドル安に動く。これは経済の実態とも金融の実態とも全く関係がない。85年のプラザ合意以降は、そういうポリティカル・パラダイムが通貨を決めるようになったのである。いわば「政治的平価」である。

しかし、それも長くは続かなかった。