福井俊彦・前日本銀行総裁によれば、バブル崩壊後に「緊急」と称して経済対策に費やされたカネは300兆円に上る。これは実に莫大な金額だ。たとえば、リーマン・ショックで破綻したアイスランド経済の立て直しは、3兆円でお釣りがくる。あるいは、オバマ大統領が実施したTARP(Troubled Asset Relief Program)と呼ばれる不良資産救済プログラムが約60兆円、オバマプランの景気刺激策でも100兆円にすぎない。今のヨーロッパの危機は最大で見積もっても150兆円と推計されているから、300兆円もあったら簡単に一掃できるし、ドイツなどでは10兆円のギリシャ支援の見返りにエーゲ海の島をよこせ、などという人もいる。ところが自民党政権は、GDPの60%にも匹敵する300兆円の大半を意味のない手術、すなわち景気浮揚効果の小さい田舎の公共工事に使ってしまった。なぜ、そうなったのか? やりやすいところからやるからだ。