西麻布や荒木町の店で客層を見ると、まずカップルが来ている。これは今も昔も珍しくない。次に女同士で来ている。客単価が1万円以上になるバブル期は極めて珍しかった。さらには黒塗りの車でビジネスマンが来ている。バブル期は料亭接待で何万円もする懐石料理を食べていた男同士がプリフィクスの5000円ディナーを食べている。これも以前は見られなかった客層である。要するに、1万円以上が相場だったものを3000~5000円にすると客が群がる、という現象が起きているのだ。ユニクロがカシミヤのセーターを5000円で売り出したらバカ売れしたのも同じ理屈である。今の日本の消費者は、3000~5000円で「非日常性」が手に入るとなれば飛びつくのだ。