人件費が高騰して製造業が海外に逃避した。さらに、労働規制や産業規制が厳しく、企業にとって魅力のない国になっている。過去の歴史から得た教訓は、こうなってしまうと海外に出て行ってしまったメーカーは二度と日本には戻らないことだ。政府が古臭い景気対策予算を組んだくらいで日本経済が復興することはないし、ましてや多くの雇用を生み出すことはさらに困難である。28年ぶりの「貿易赤字国」という現実は、決して原油高が原因でも、アメリカの不況が原因でもないのである。日本製の工業製品は国際競争力を失い、日本は中国やタイやベトナムで作られた製品(その多くは現地の日本資本の企業が作っている)を輸入する国になったのである。これを私は「日本のアメリカ化」として危惧しているのだが、この流れは今後も決して変わることはないだろう。そして日本がアメリカと違って恐れなければならないことは、ソフトウェアやサービス業のような、製造業に代わる「お家芸」を持っていないという現実だ。アキバ系のサブカルチャー(マンガ、ゲーム、アニメの三羽烏)にしても、市場規模はせいぜい2兆円で、65兆円規模の輸出の衰退を補うことは到底できない。