最低賃金の実態を見ると東京近辺は時給1000円くらいだが、北海道、東北、四国、九州、沖縄の大部分は600円台だ。同じ国でありながら都道府県によって30~40%もの格差がある。では格差がなくなったらどうなるのか。今まさに連合(日本労働組合総連合会)や全国知事会は、地方も時給1000円に引き上げろと要求している。それは政治的には正しいかもしれないが、結果はむしろ雇用減につながるだけだろう。すでに日本の時間当たり平均賃金は世界一である。このうえ日本経済の強さを支えてきた2つの格差をなくすとなったら、経営者の合理的な判断としては、さらに海外に出て行くしかなくなる。どうしても出て行けない産業ではコストを消費者に転嫁するしかない。たとえば地方近郊都市で、しかも日系ブラジル人などを使って24時間操業で作っているコンビニ弁当などの値段は高騰するに違いない。