たとえ食料自給率が100%になったとしても、それで日本は「安心して戦争のできる国」になるのか? 石油も鉄鉱石も石炭もほぼ全量を輸入している国が、「コメだけあれば孤立しても戦争できる」というのは絵空事だ。農業そのものも、石油から作る肥料や農業機械の燃料がなくてどのように生産するのか? 食料だけ自給率にこだわること自体が甚だしい論理矛盾である。

もし、安保の哲学を統一するとしたら、備蓄できる穀物と冷凍保存できる肉や魚、加工食品などについては、石油と同じ180日分を国内に備蓄する。備蓄が難しい生鮮食品は優先的に国内で供給し、一部は近隣諸国で生産する。具体的には、日本とシーズンが同じで、すでに日本のニーズを学習している中国の山東省や遼寧省、そして日本とシーズンが逆のオーストラリアやニュージーランドを組み合わせれば、年間を通じて安定供給が可能になる。石油がなくなればすべてが終わりだから、それで十分だろう。有事には現有兵器を使い、180日以内に終結させる、というのは現実的に日本ができる精一杯の戦争だ。