たとえば、富裕層が急増しているロシアは、さすがに金融危機で勢いが衰えているとはいえ、日本からすれば驚くべき消費ブームが起きている。所得税が誰でも13%というフラットタックスだから高所得者の手元にキャッシュが残り、どんどん消費に向かう。消費意欲が強いから買った物の値段は下がらない。すると、みんなキャッシュを貯めこむより早めに物に換えたほうが得だと考えるのだ。中国やインドでも、携帯電話や自動車の購買は先進国を尻目に2009年になってすでに回復基調に戻っている。

もちろん、貧富の格差は日本の比ではない。ロシアの大金持ちはキプロスに財産を移してマネーロンダリングを行ない、UAE(アラブ首長国連邦)のドバイなどで高級リゾートを買いまくっていた。それはロシア国内で派手な生活をしすぎると周囲から妬まれ、政府に目をつけられかねないという恐怖心からだが、実際には金持ちの大量消費によって国全体の景気が良いから、庶民もまた潤うという良い循環が起きていたのである。