2012年10月26日(金)

徹底比較!「キーマンvs残念な社員」の思考・行動パターン

PRESIDENT 2010年11月1日号

著者
山崎 将志 やまざき・まさし
ビジネスコンサルタント

山崎 将志1971年愛知県生まれ。94年東京大学経済学部経営学科卒業後、アクセンチュア入社。2003年独立後、知識工房、アジルパートナーズ、カジタクなど数社の事業を立ち上げる。『残念な人の口ぐせ』など著書発行部数は累計100万部を超える。

ビジネスコンサルタント 山崎将志 構成=野崎稚恵 撮影=芳地博之
ビジネスコンサルタント 山崎将志(やまざき・まさし)
1971年、愛知県生まれ。94年東京大学経済学部卒業後、アクセンチュア入社。2003年に独立。事業再生コンサルティングや、生活総合支援サービス「カジタク」などの運営に携わる。『残念な人の思考法』は26万部を突破するベストセラーになった。

「楽しく遊んでいる人ほど仕事ができる」。これは私の持論だ。仕事と遊びは、切っても切れない関係にある。仕事がうまくいっているからこそ遊んでいて楽しいのだ。反対もまたしかりである。

ビジネスコンサルタント
山崎将志氏

私にとって遊びといえば、人と会い、ゴルフに行き、ジムに通い、家族と過ごすことだ。ときにはドライブにも出かけたい。読書も遊びのうちに入る。だから平日は6時や7時には帰りたい。

遊ぶための時間は戦略的に捻出しなくてはならない。それが仕事の生産性を上げるインセンティブとなる。プライオリティと効率を考えて仕事に取り組み、時間内にすべて終える。楽しく遊んでいる途中で、会社から呼び出しがあっては興醒めなので、仕事は完璧に仕上げ、何かあったときのバックアップもきちんと整えておく。

遊びがエスカレートしていくと、お金もますます必要になってくる。もっといい車に乗りたくなるし、いい道具を使いたくなる。遊ぶ時間を減らさずに、お金をより多く稼ぐ方法を生み出さなくてはならない。こうして、遊べば遊ぶほど、生産性が上がっていく。その一方で、持ち時間のすべてを使って仕事しようとする人がいる。毎日、終電間際まで会社に残っているような人だ。

もし、あなたが「時間がいくらあっても足りない」と思いながら日々残業に明け暮れているのなら、思い切って1カ月間、定時に帰ってみてほしい。

これにより、ふたつ気づくことがあるはずだ。ひとつは、あなたのそれまでの仕事が、いかに非効率的に行われていたかということ。仕事の優先順位をつけ、無駄を省かなければ、決められた時間内に仕事を終わらせることはできない。仕事をする時間は8時間なら8時間と決め、それを本当に実践することが第一歩だ。

もうひとつ、定時に上がるようになってはじめて気づくのは、あなたが仕事以外に趣味がない可能性がある点だ。会社にダラダラ残っているのは、仕事がたくさんあるからではなく、実は定時に上がっても、何もすることがないからなのである。

はじめのうちは家に帰ってテレビを見たり、家族と過ごしたりするのもそれなりに楽しめる。友達と会い、同僚と飲みにいく時間もできるだろう。しかし、最初は家に早く帰ってくるあなたに喜んでいた子供が、しばらくすると、「お父さんいつも帰り早いけれど、最近ヒマなの?」と言い始める。かといって、飲みにいくにも何をするにもお金がかかる。飲む以外には特に趣味もない、お金もない。だから会社にいてしまう。そんな自分に愕然とする。しかし、そうなったらしめたものだ。それが、あなたが目標を見つめ直し、人生を再定義し、生産性の高い人間に変わるきっかけとなるのだから。

決めたことを実施することは本当に重要だが、難しいものだ。

「こいつは本当に残念な男だ」。私を心底がっかりさせた友人がいる。少し前のことだが、彼とダイエットの賭けをした。「3カ月でいまの体重から6%痩せることを互いに賭けよう」と持ちかけると、「いいね!」と乗ってきた。私は67キログラムだったので、マイナス4キログラムの63キログラム、彼は80キログラムだったのでマイナス5キログラムを目標とした。

「今日から3カ月後の○月○日に△△で会って体重測定しよう。賭け金は3万円でどうだ?」

すると友人は、「エーッ!」と言う。

彼は支払うリスクを考えて、3万円に反応しているのである。ではなぜ賭けに乗ったのか。達成する意思があるからだ。であれば、いくら賭けようが関係ないではないか。ダイエットするかどうかは自分の意思しか関係ないのだから、本来やれないはずはない。友人との大きな金銭のやりとりは気が重い。そんな状況にならないよう、お互い何としても目標を達成しよう。友人同士の賭けとはそういうものだ。渋る彼に「じゃあ5000円ならやるの?」と聞くと、「いや、3万円でやるよ」と言い、賭けが始まった。

期日まで残り2週間に迫ったある日、中間報告のメールを彼に送った。返信を見ると、お互い順調のようだ。「じゃあ、もう2週間頑張ろうな」と返し、そして期日がきた。

「今日は7時に待ち合わせましょう」とメールを送ると、彼からきた返事は、

「いま採用のシーズンで、急に忙しくなってしまって行けなくなった。ついては最終週ではどう? 僕はこの日とこの日が空いています」

というものだったのである。

何と意志が弱いことかと思ったが、それ以上に私はふたつのことにがっかりした。ひとつは、仕事を理由に約束を破るのは最悪だ。3カ月も前から予定は決まっている。その日になって急に緊急の仕事が発生するなど考えられない。万一そうなら、あまりに段取りが悪すぎる。友人から3万円をとる気など、はじめから毛頭ない。「お互い痩せられたからいいじゃない」ですむ話である。それを、直前で仕事を理由に、約束を反故にするような男だったとは、本当にがっかりしてしまった。

もうひとつがっかりしたのは、私の予定は簡単に変更できると友人が思っていたことである。

「9時でも10時でもいいから待っているよ」と彼に返信しようと思ったが、可哀相なのでやめた。「3カ月も前から決めていた約束だ。俺は予定を空けておいたのに、おまえは何だ。俺のスケジュールはこの先全部いっぱいだ。おまえの都合に合わせるほど俺はヒマじゃない」というメールを書いて破棄し、「そっか、忙しいんだ。残念だね。俺もこの先忙しいんだ。じゃあまた年内にやろうか」というメールを書き、この件は自分のなかで終わりにした。

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