景気の低迷、消費税増税、年金不安、大地震をはじめとした災害の脅威……。
私たちはいくつもの厳しい問題に直面している。
だからこそ、かけがえのない家族の生命と資産を守り、
毎日の暮らしを営む場である「住まい」を
どうつくるかに大きな関心が寄せられているといえるだろう。
心地よく、環境負荷が少なく、安全・安心で長く住み継げる「住まい」。
あなたに合った提案が、きっとこの特集の中にある。


 

「一生困らない住まい」をつくる

家族と資産を守る「強い生活基盤」住まいの原点を重視しよう
中島早苗 リビングジャーナリスト・「家の時間」編集主幹
満足度の高いリフォームにするための5つの条件
石田典彦 リフォームビジネス研究所所長
<2013年版>マイホーム・マネー作戦
有山典子 マネー・ジャーナリスト

住友林業 ビッグフレーム構法の家
強く、広く、家族にも地球にもやさしいビッグフレーム構法の木の家

TOTO 毎日使う場所だから家族にも環境にもやさしく これが「水回り文化の牽引役」の最新提案だ
sazana(サザナ) 日々の入浴を至福の時間に。寛ぎ機能充実のシステムバス
NEOREST(ネオレスト) 先進の清潔機能でトイレがもっとリフレッシュの空間に


 

長年、愛着を持って住み続けてきた現在の住宅を生かしながら、より快適な住まいへと進化させるリフォームに関心を持つ人々が増えてきた。リフォーム産業の草創期から関わり、育ててきたプロが教えるいい会社の見つけ方、そして満足できるリフォームにするためのポイントとは。

石田典彦●いしだ のりひこ
リフォームビジネス研究所所長

東急不動産入社後、東京アメニックス(現・東京ホームズ)に移る。20年間リフォーム事業の責任者を務め、1996年に売り上げ180億円を達成する。1999年に独立し、リフォームビジネス研究所を立ち上げ、現職。住宅リフォーム推進協議会・広報・研修委員。著書に『住宅リフォーム営業実践マニュアル』など。

満足できるリフォームの
ポイントとは?

住まいを新しくしたいという方にとって、建て替えかリフォームかは悩みどころかもしれません。戸建ての場合、かつては30年経過したら「建て替え時」といわれましたが、現在では必ずしもそうとは限りません。住宅の耐久性によるからです。土台、基礎、柱、梁、屋根など住宅の構造躯体がしっかりしているかどうかの判断が必要です。1981年6月、耐震性に関しての基準が改正され耐震性の強化がはかられました。したがって、それ以降、確認申請済みの住宅であれば、新耐震基準を満たしていると思っていいと思います。

もう1つ、住宅の耐久性にとって重要なのは地盤。軟弱地盤かどうかの判定も必要です。専門家にチェックしてもらい、現在の住まいの耐久性の状態、スケルトン(構造躯体)、インフィル(内装、設備)に要する費用と建て替えの費用を比較して、判断されることをお勧めします。

次にリフォームを実施した方々が、どんな点に満足を感じたかについて述べておきたいと思います。新築とは少し異なる点もあるからです。

まず、工事の出来栄えです。現場で実際に施工にあたるのはリフォーム会社の傘下の工務店や専門工事会社。リフォーム会社の優劣は、いかに腕のいい工務店や工事会社を傘下にし、品質管理が優れているかどうかです。

2番目はプランの提案能力。生活の中で実現したいこと、解決したいことが具体的な間取りやデザインに反映され、完成してから確かに毎日の生活の質が向上したと実感できれば、満足度が高まるはずです。契約前に、自分が希望した通りのプラン、希望以上の内容が盛り込まれたプラン、さらにリフォームのプロとしてのオリジナリティーあふれるプランと、3案程度出してもらい検討するといいと思います。

3番目は人的満足度。営業担当者はもちろんのこと、施工する職人たちの態度や気遣いも、実は満足度に大いに影響を及ぼします。リフォームは在宅で行う場合が多く、この点が新築と異なる点です。

4番目はアフターサービス。サービスの項目と無償期間を明示してもらうことは必須です。たとえ不具合が生じなくても安心感と信頼性が高まります。

最後は価格。契約以前は最大の関心事になりがちですが、値段だけで決めてしまうことは後悔のもと。くれぐれも注意してください。

リフォームすると決めたら、テーマを決めます。リフォームしたいと思うからには「不便」「不快」「不満」など、現在の住まいに不満足な点があるはず。この「不」を解消し、どんな暮らしをしたいのか、できるだけ具体的にイメージし、ポイントを書き出してみるといいでしょう。