動脈硬化を防ぎEDも予防、
治療はPDE5阻害剤で

動脈硬化で血管性EDが起こるなら、動脈硬化の予防がEDの予防につながるとも考えられるはずだ。

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「確かに適度な運動や禁煙、バランスのとれた食生活などの実践は、EDの予防に貢献してくれるでしょう。まさに、生活習慣病全般に当てはまることです。ただし、いったん自覚症状が現れてしまうと、生活習慣の改善だけでは治療が困難になることも共通しています。できるだけ若いうちから健康的な生活習慣を励行すべきであることは、いうまでもないでしょう」

では、もしEDの治療を要する段階になってしまったら? まず選択肢として挙げられるのが、PDE5阻害剤という飲み薬(錠剤)である。

PDE5とは、勃起に必要な物質(cGMP)を分解し、消してしまう酵素。この酵素の働きを「阻む」ことで、勃起を助けるのがPDE5阻害剤だ。

これは、あくまでも医師による診察のもとで処方される薬。一般的に深刻な副作用はないものの、狭心症の薬などと併用すると危険性が高く、専門的な判断や管理が欠かせない。さらに現在、3種類のPDE5阻害剤があり、それぞれ1錠あたりの成分量にもバリエーションがあるため、正しい選択が必要となる。

「3種類の基本的な違いは、作用の持続時間や食事の影響を受けるかどうかなど。患者さん一人ひとりの、セックスにかかわるライフスタイルなどにも応えられるよう、相談のうえで処方します」

覚えておいてほしいのは、インターネットなどを通じてPDE5阻害剤として販売されているものは危ない、という現実だ。調査のため取り寄せた製品のうち、55.4%は成分分析で偽造品との結果が出ており(製薬会社4社合同調査)、小谷先生は「ネット販売は絶対に利用してはいけない」と警鐘を鳴らす。