【サービス】海外拠点の拡大により、うちは09年から新卒にグローバル採用枠を設けている。選考では語学力はあったほうがいいが、絶対的な基準ではない。TOEICの点数が高くなくても、様々な国・人種の考え方を受け入れ、それを融合していけるセンスやスキルを持つ異文化受容力を重視している。日本人でも、海外の大学に留学していた人、幼少時代から海外に住んでいた人、あるいは日本の大学で留学生の受け入れ係をやっていたという経験など、いろんな異文化体験を聞いて見極めている。今、海外の売り上げ比率は4割弱だが、グローバル採用枠もそれに近い3割程度に増やしている。

【IT】理工系はともかく、何の取り柄もない文系大学生はキツいね。うちは2年前から事務系総合職枠以外に財務・経理とマーケティングの2つの職種別採用枠を設けている。これは財務・経理やマーケティング知識など専門性を重視した、いわば即戦力採用だ。ただ、マーケティングをやりたいです、という人は採らない。

新卒より手取りが低い部長

【金融】はっきり言って、昇進がますます厳しくなっている。最大の理由は国内の事業そのものが縮小傾向にあることだ。今後の成長性が見いだせない中で、自身の将来にあまり夢を持てなくなっているミドルマネジャーが多いな。

【化学】うちは組織の縮小・改編でポストも減少傾向にあり、ラインマネジャーから外されて部下なしのスタッフマネジャーが増えている。その分、ラインマネジャーの責任が重くなってきている。昔は部下に号令をかけて、俺についてこい的なやり方でよかったが、今は部下のケアからコンプライアンスまですべてラインマネジャーの責任として押しつけられている。しかも、近年は会社の方針としてプレーヤーは評価しない。ラインマネジャーはマネジメントに特化しろと言われている。でも、そう言われても自分自身のスタイルはなかなか変えられない。