世界で日本にしかないのが私鉄である。東急、西武、小田急、京王、阪急、阪神、南海などの私鉄は、単なる鉄道会社ではなく総合ディベロッパーであり、東京と大阪にスラムができなかったのは、私鉄が大きな役割を果たしたからだ。世界中の大都市は貧困層が都心部に残ってスラムができるという共通問題を抱えているが、東京と大阪では、私鉄が沿線に住宅地を造成し、駅周辺にデパートやスーパーなどの商業施設を作ったことによつて、都市の住民が郊外50km圏くらいまで広く散らばったのである。日本の私鉄は、いわば小さな国家の形態を備えており、そのようなモデルは世界に例がない。健全な中産階級を創るために物理的に大きく貢献しているのだ。以上のような途上国時代の日本モデルは、世界に誇れるものであり、実例があって20~30年経ってもうまく機能している。