憲法は二九条二項において、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める」とし、財産権が無制限に主張されるべき権利ではないことを明らかにしている。二九条三項において、憲法はさらに「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる」と定めている。

しかしながら、ここで言う「公共の福祉」の意味はあいまいである。憲法自体は、その一二条、一三条、二二条、二九条と「公共の福祉」という概念を繰り返し、人権の制限条項として使用しているにもかかわらず、その内容を明らかにする条文を設けていない。