たとえば、家主が借家権者に対し立退き裁判を起こした場合、起訴から最初の公判までに最低半年かかり、そののち三ヵ月から半年ごとに、三〇分ずつの裁判が進行するという具合である。このため最終判決が下りるまでには何年もかかり、その間に起訴人が亡くなってしまうことも珍しくはない。

このように、日本において司法権は、一般人の生活のみならず、企業の活動からもおよそかけ離れた存在となっている。ゆえに、本来であれば、起訴という公の場で、法律にのっとってできるかぎり公平に解決されるべき問題も、政治的決着や行政指導等、中央政府による調整および個別折衝によるアングラ解決を求める構造となる。