本来国家運営の理念なるものは、国や人々が変化するのにつれて一〇年に一度くらいは見直すことが望ましい。特に昭和憲法はその作成の時期や環境が異常であっただけに、いくつかの際立った特徴を持っている。

昭和憲法は通常の憲法にありがちな国家としてのエゴがない。この点は優れているので今後も生かしてゆく必要があろう。しかし、そのことが逆に、世界の中で日本は何をしなくてはならないのか、国民の権利だけでなく義務は何なのか、ということをあいまいにしていると言えよう。