警察の標榜する「不偏不党かつ公平中正」性に対する疑問は、「警察白書」を読めば誰しも抱かざるを得ないだろう。昭和六三年版警察白書では、冒頭の約八〇ページを「極左暴力集団等の動向と警察の対応」に割いている。

この警察白書が編集された年(昭和六二年)は、たしかに日本赤軍の丸岡修が逮捕され、また大韓航空機事件が発生した。ところが同じ年の五月に「赤報隊」による朝日新聞阪神支局襲撃事件が、九月に朝日新聞名古屋本社社員寮襲撃事件が起きている。(中略)しかし警察白書には、この事件に関する記述が一切ない。