左脳に右脳を動員し「集合知」で武装する

21世紀の経済社会は「見えない空間」での戦いとなる。見えない大陸の中に、いかに自分のテリトリー(事業領域)を奪い取って杭を打てるか。そこにプラットフォームを築くことができれば富は世界中から集まってくるのだ。

そこで第一義に求められるのは何か。見えないものを見る力、すなわち「構想力」である。見えないものを見通し、無定形のものに形を与える能力だ。

見えない経済大陸が見える人と見えない人の違いを一言で言えば、構想力があるかないかに尽きる。

見える人は自らの構想を戦略に落とし込み、ヒト、モノ、カネを有機的に一つに結び付けて事業計画を立案し、成功へと邁進する――。

構想力が戦略の前提となる以上、いくら従来型の戦略を磨いても意味がない。だから私は『新・資本論』以降、戦略的思考のための“ツール”ではなく、構想力を喚起するような“コンセプト”の提起に力を注いできた。

別な言い方をすれば従来の戦略は左脳で立案した。しかし21世紀の戦略は右脳が起案し、左脳が検証していく。その意味で『右脳革命』(プレジデント社)や『ハイコンセプト』(三笠書房)を私が手がけてきたのは偶然ではない。

これからは両脳をフルに使える人間か、異種の人材を組み合わせて集合知で武装した集団が勝者となるのである。はじめに構想力ありき。構想力なくして、21世紀の戦略人間たりえないのだ。

※すべて雑誌掲載当時

(小川 剛=構成 的野弘路=撮影 AP・ロイター/AFLO=写真)