【5】緻密さ←→スピード

緻密さ←→スピード

緻密さ←→スピード

「緻密さが要求されるか」「少々粗くてもスピードが命となるか」がこの軸です。

この軸を見るには、同業に抜けがけするようなスピードがあれば、売上が大きく変わる事業なのか否かがひとつ目のポイントです。そういう仕事であれば、当然、粗くてもまずスピードということになります。

そう言うと、「どんな仕事でもスピードは大切」「粗くてもいい仕事なんかない」と返されそうですね。ならば、もう少し違った言い方をしましょう。

(1)一分一秒違うと、売上や成果が大きく異なる仕事なのか?
(2)資料の体裁や記入ルールを誤ると、ビジネス上命取りとなるのか?

 こう言うとだいぶわかりやすくなるはずです。極言すると、こうなります。

(3)博打的要素が多いのか、ローリスク・ローリターンの積み重ねか

 さらに、こんな要素も加えると理解がしやすくなるでしょう。

(4)結果重視か、プロセス重視か

 たとえば、コンサルティング業務などは、最終レポートを仕上げて、そのあと、実際にビジネスがそのとおりになるか、どうかはわかりません。仮に、完璧に提案書どおりに遂行したとしても、景気変動や競合の台頭などにより、結果は見えないでしょう。だから、結果責任はなかなか問われにくい職務です。その代わり、レポートをプレゼンテーションするときに、粗があったら命取り。一部の隙もなく、完璧に論理整合性をとるために、努力します。つまり、結果より、プロセスの積み上げが重視されることになります。

逆に、1ベット数億円の損益を左右する金融トレーダー(外資金融)などは、スピード命なのがよくわかるでしょう。ここには、細かな書類も不要です。

とかく、コンサルと外資金融は、他の4軸では類似傾向にあったのですが、ここで大きくわかれました。
最後にもうひとつ、ヒントとなる要素を盛り込んでおきます。

(5)その仕事は、攻撃的か、保守的か

 革新・伝統と間違えそうですが、こう区別してください。別に新しいことをしなくてもいいから、とにかく、前に出て取りに行く仕事か、それとも、入ってきた仕事を着々と組み上げていく仕事か。その姿勢に応じて、重要視されるものが、「スピード」か、「緻密さ」かに変わることになります。