エミレーツが提供する“豪華なサービス”とは

エミレーツ航空(以下、エミレーツ)が最初に日本に就航したのは2002年からで、今年で10年目を迎えます。2011年に発生した東日本大震災を境にして、日本から撤退した外国企業もありますが、我々は日本の潜在的な力を信じています。そのため、確固たる信念を持って、毎日1便、成田―ドバイ間の就航をこのたび決定したのです。

エミレーツ航空上級副社長
リチャード・ジュズベリー

英国サウサンプトン大学卒、同国クランフィールド大学院大学修士課程卒。ニュージーランド航空を経て、1996年エミレーツ航空入社。航空機の運用分析、運航計画、財務分析などに携わる。2009年から、現職のコマーシャル・オペレーションズ、東アジア、豪州地域上級副社長。

実は、ドバイと日本の結びつきは深いものがあります。現在、3500人超の日本人がドバイに滞在し、300社以上の日本企業が活動を展開しています。

ドバイ観光局の調査によれば、日本からドバイへの渡航者は、2012年の第1四半期だけでも25%も増えています。日本とUAE(アラブ首長国連邦)をつなぐ役割を担うのが、我々なのです。

営業的にも、エミレーツは、24年連続して黒字を記録しています。これは、世界の航空業界を取り巻く厳しい状況を考えれば、驚異的な数字といえます。では、なぜ四半世紀にわたり好調を維持し続けることができるのか。

その第一の理由は、ドバイの持つ地理的な優位性です。中東地域のほぼ真ん中に位置し、欧州、アジア、アフリカなどにアクセスしやすい。現在、我々は74カ国、125都市に就航し、中東には17、米国には11、欧州には35カ所の就航地があります。

2つ目は、ドバイという街が持つ観光地、商業地としての長い歴史です。昔から中東の商業地として栄え、その伝統を生かしたビジネスフレンドリーな地域となっています。例えば、フリートレードゾーン(自由貿易地域)など、政府の規制、ビジネス上の規制を極力排除している。そうした点が、世界の富がこの地に集中する大きな要因で、世界の富を運ぶ、その手伝いを我々エミレーツがしているのです。