20世紀も後半になると、経済学の分野では数学的なモデルで説明できないものは学問ではないとばかりに、いわば現象を数字で説明する計量経済学が盛んになっていく。実際、ノーベル経済学賞の受賞者の中には、この手の数式モデルを提示した学者が多い。しかし、それらの経済学が、本当に未来を予測してきたのか? 私は、2008年秋からの世界金融危機を正確に予測した経済学者を寡聞にして知らないし、リーマン・ショックから立ち直るための術(すべ)を教えてくれた経済学者の高説も聞いたことがない。