倉持淳子さんからのアドバイス

クラ・モチベーション
代表取締役
倉持淳子

1994年、明治大学卒業後、数社を経てぐるなび入社。東日本地域統括時、達成率50%の5営業所の売り上げを167%UP。2009年に独立し、営業セミナー等の主催運営に携わる。著書に『1日10秒の習慣で夢をかなえる!』。

私は目標管理のために、自分の成果や行動を数値化して手帳に毎日つけていました。例えば売り上げ達成のために1日5件の新規営業が必要だと判断したら、訪問件数を毎日、手帳につけて振り返ります。さらに週次でも数字を集計し、行動を微調整します。

数字を毎日書き込む習慣は、モチベーション管理にも役立ちます。数字が目標値に達しない日、あるいは毎日の振り返りをさぼって空白になっている日があれば、それはモチベーションが落ちている証拠です。まさに数字はモチベーションのバロメーターなのです。

数字を書き込めなかった日は、書く気にならなかった原因を探り、再発防止策を考えます。モチベーションを下げる要因は何か、その都度振り返って対策を練ることで、モチベーション維持のオプションが自分の中に積み上がっていきます。

週単位、月単位で毎日の数字を振り返り、モチベーションのサイクルを把握することも重要です。例えばいつも金曜日にモチベーションが下がっていることがわかったなら、スケジュールの組み方もひと工夫できるはず。元気がないときに部下と話すと自分のモチベーションの低さが伝播してしまうので、会議や打ち合わせの予定は月~木曜日に入れて、金曜日は事務作業中心というスケジュールを組むこともできます。

また数字を追いかけることは大切ですが、達成中毒に陥らないことも重要。目標達成の目的は自分が幸せになるためですが、数字にこだわりすぎると、いつのまにか目標自体が目的化して、いくら達成しても満足感を得られずストレスを感じるようになります。これを防ぐために、私は目標達成時に手に入れたい気分(達成感や自己重要感)のイメージを絵にして、数値目標の横に描いていました。単に数字を追うだけでなく、その先にある幸せを可視化することで、モチベーションは正しく維持されるのです。

(相澤 正、久間昌史=撮影)
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