いまひとつ盛り上がらない「梅雨」と「秋」

今回は「歳時」に対して、食という観点から、少し考えてみたいと思います。

年間のカレンダーを眺めると、日本および外国由来の、食が絡む歳時やイベントには以下のようなものがあります。

1月 : 正月(もち、お節、おとそ)、人日の節句(七草がゆ)、新年会
2月 : 節分(豆、恵方巻)、バレンタインデー(チョコレート)
3月 : ひな祭り(桜もち)、ホワイトデー、春分の日(ぼたもち)
4月 : 花見
5月 : 子供の日(柏もち)、ゴールデンウィーク
7月 : 海開き、土用の丑の日(うなぎ)
8月 : お盆、夏休み(ビール、枝豆、すいか、かき氷などなど)
9月 : 十五夜(団子)、秋分の日(おはぎ)
10月 : ハロウィン
11月 : 七五三(あめ)、新嘗祭、ボジョレー・ヌーボー解禁
12月 : クリスマス、忘年会、大晦日(年越しそば)

流れを追ってみましょう。1月は新年の始まりで、何かと忙しい時期です。2月もバレンタインデーの存在感が強く、街はにぎわいます。3月は春が訪れ、そして歓送迎会なども多く、落ち着かない毎日です。そのまま日本人が一番心躍る季節であろう4月の花見に突入し、気分もウキウキしています。さらに5月には大型連休が始まり、家族旅行などのピークを迎えます。

ここで年明けから続いてきた「歳時もの」は、しばらく落ち着きます。そのまま梅雨入りを迎え、多くの人が家や会社に閉じこもりがちな時間を過ごすことになります。その後7月中下旬の梅雨明けから、また一気に活気づきます。海開きで夏を感じ、子供たちの夏休みがスタートします。8月はお盆休みも含めて、家族で行動する機会が増えることでしょう。9月は残暑も厳しく、まだ夏の余韻を感じさせます。一方で、十五夜や秋分の日などもあり、秋の訪れを感じ始めます。

そして、再びここから大きなイベントの少ない時期に突入します。ハロウィンは、いまひとつ盛り上がりに欠けますし、11月も七五三はこの年頃の子供がいる家庭だけの楽しみです。ボジョレー・ヌーボー解禁はかつては華やかなイベントでしたが、近年は注目度が下がっています。後で述べますが、「新嘗祭(にいなめさい)」は、意義は素晴らしいものの、いかんせんその名前と11月下旬という微妙な時期のせいで、なかなか注目を集めることはありません。その後、12月に入ってしまえば、忘年会、クリスマス、そして年末休み、大晦日と、一年でもっとも慌ただしくなるわけです。