2012年9月2日(日)

ありそうでなかった文房具選

PRESIDENT 2010年11月15日号

著者
川崎 和男 かわさき・かずお
大阪大学大学院教授

デザインディレクター。インダストリアルデザイン、プロダクトデザインを数多く手がける傍ら、2009年より「日本文具大賞」審査委員長を務める。

大阪大学大学院教授 川崎和男

審査委員長を務めた日本文具大賞2010年大会では、国内外のメーカーから272点もの商品がエントリーされた。そのひとつひとつを手に取り、使い心地を確かめてみると、きめ細かい技術や心配りに改めて「日本のモノづくり」のレベルの高さを実感する。

例えばデザイン部門でグランプリに輝いたデザインフィルの「カードメモ」。はじめて手にしたときは、身震いするほどに感動した。一カ月という単位を意識し、一綴りで31枚。厚さはわずか1.6ミリ。名刺入れにも、手帳のポケットにも収まりコンパクトだ。透けるほどに薄いのに、どんなペンで書いても決して滲まず破けにくい。使用している紙もデザインもすべてがメイド・イン・ジャパンという点にも愛着がわく。

高品質文具というと、真っ先に海外ブランドを思い浮かべる人も多いだろう。しかし、手帳やペンの要となる紙やインクの品質は日本がいちばんなのではないかと思う。

A.デザインフィル/カードメモ
デザイン部門グランプリ作品。財布にも入る超薄型メモ。タイプライター用の半透明紙を採用し、31枚で約1.6mmの厚さを実現

B.住友スリーエム/〈スコッチ〉チタンコートシザーズ
上質紙を10万回切ってもそのシャープな切れ味は変わらず。その秘密は高硬度チタンコート。耐久性に優れた高品質はさみが誕生。

C.マルマン/書きやすいルーズリーフワイド
通常の2倍の大きさの用紙を2つ折りにした新発想のルーズリーフ。見開きで使用すれば図表も大きく描け、プリントを張ることも可能。

D.榛原/蛇腹便箋跳びうさぎレターセット
蛇腹状になった便箋は折り目にミシン目が。書き終えた位置で切り取れば一筆箋にも手紙にもなる、ありそうでなかったアイデア商品。

E.カール事務器/ALISYS
機能部門グランプリ作品。二重テコ構造を取り入れた世界初の小型パンチ。収納式の紙当てなど機能性、デザイン性にもこだわりが。

F.ニチバン/テープカッター
凹凸の少ない新設計により、テープを切る際の負荷を軽減。切断面のギザギザが少なく、まっすぐきれいにカットできるのが特徴

G.ゼブラ/スラリ
世界初となる、エマルジョンインク(油性と水性を混合したインク)を搭載した新世代ボールペンがこの「スラリ」。鮮やかな筆記線となめらかな書き味はヤミツキに。

H.エーワン/@markインデックスマーカー
見出しを記入したシールをノートの最初のページに貼り、テーマごとに色を分けることで色検索が可能に。インデックスがはみ出さずスマート。

※すべて雑誌掲載当時

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