そんな菊田さんも壁にぶつかったことがある。「営業1年目は自分の目標に及ばなかったんです。仕事を覚えて、お客様の資産内容を把握してと、何でも自分でやろうとして時間が足りなくなり、数字も伸びていかなかった」という。

しかし、時間の使い方を見直す際に「面談にかける時間」だけは絶対に削りたくないと考えた。そこで支店内で営業をサポートするマネー・パートナー(MP)との協力関係を強化することに。「一人ですべてやるのではなく、MPさんに協力してもらい、チームとして動けるようになったら成績がついてきました。MPさんとのコミュニケーションも、得意な(笑)無駄話で円滑になりました」。

営業として3年目を迎える今年も出足は快調。「最近、ようやく本当の意味でのコンサルティングができるようになってきたかなと感じています。ある地権者の方から、相続についての相談を受けて、弊行との取引以外にもかなり詳細な内容まで明かしてもらい、本部と協力しながら税務処理全般についてのアドバイスをすることができました」。

「じっくりと話を聞く営業」が、顧客の心をつかんでいる。

「決めトーク」は
特になし。顧客には、本当に必要と思って商品を購入してもらいたい。迷っている人に、無理に商品を勧めることはしない。

自己啓発の仕方
顧客との間で話題になりそうなことを常に探す。特に仕事と考えずに楽しみながら情報収集している。旅行、外食のほか陶芸なども。担当の中心である、年配の顧客層に合わせた趣味が広がりつつある。

優先順位のつけ方
お客様が第一なので、顧客との面談時間を取ることがとにかく最優先。

服装、化粧の仕方
支店近くの訪問先へは自転車で移動するのでパンツスーツが基本。身長が低いのでハイヒール。服も靴も百貨店勤務の顧客にアドバイスを受ける。化粧はあまりせず、顧客には素で接することを心がけている。

記憶に残る失敗談
特になし。ただ、ときには想定していた商品が顧客に必要なくて断られることも。

※すべて雑誌掲載当時

(小林禎弘=撮影)
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