頭屋社長の坂井環(上写真・右)。岩渕和宏(上写真・左)のアプローチ方法は現場を回ること。坂井社長が経営する7店舗の各店長に会い、現場へ行って雑談をするなかで、どのような意見を持っているのかを聞く。岩渕自身も店舗へ行って気付いた点をまとめる。それを坂井社長へフィードバックするという地道な活動を続けた。新潟駅前に店舗を構える坂井社長に対して、岩渕は新潟限定ビールを扱うメリットを訴求しつつ、地元への思いの強さを伝えた。何かお願いをすれば、完璧なものよりも、まず途中経過を教えてほしいと考える坂井社長。そのニーズに岩渕はスピーディーに応えた。

ちなみに、坂井は岩渕のことを「ぶち君」と呼ぶ。

「ぶち君は、対応が早いし、お店の若い子たちからも人気が高いですね。彼は新潟でナンバーワンシェアを取るのに協力してほしいという熱い気持ちを本当に持っている。そこにキラー商品のプレゼンを貰ったわけだから……」

「新店舗で他社を振ったと」

「いやいや、古い店のビールは他社さんから切り替えていませんよ。そういうことをすると、僕の人間としての価値が落ちるような気がする。他社さんだって献身的にやってくれているわけだから」

人間としての価値……。

「風味爽快ニシテ」の鮮烈なブルーのように、胸に刺さる一言だった。