HUGE社長の新川義弘(上写真・中央)。両手に持つのがヤルダグラス。実田広之(上写真・右)は力ある飲食店を見極める目を養うために、外食企業の役員、社長などと一緒に実際に食べに出かけることが多いという。彼らは新業態の参考のために、業界の目線で店をチェックするので、勉強になるという。新川社長によると、実田、荻野元治(上写真・左)とも「褒め言葉の意味で『人こまし』」だという。ここ一番の場面ではスッと相手の目を見ながら力を込めて握手をする。一方で、離れ際はさっと去ることで、鮮やかな印象を残している。 「間合いがスパーンとしていて、営業をしつこいと感じたことはない」(新川社長)。

さて、このストーリにはもうひとりの主人公がいる。市場開発支社の荻野元治である。荻野はスカイツリー担当ではなく、HUGEの担当だった。しかしアサヒはHUGEとまったく縁がなかったのは先述の通り。HUGEに白羽の矢が立った瞬間、荻野へのプレッシャーが突如として高まった。実田が言う。

「死んだ気になってHUGEに顔を売れ、店舗を回れと荻野に言いましたね」

実田は、荻野の新人研修の指導役だった。気心の知れた荻野にクロージングまでのシナリオを書かせ、進捗を尋ねる電話をかけまくった。荻野が言う。

「まだ一滴も買ってもらったことがないのに、ワインでもスピリッツでも何でもいいから、とにかくHUGEさんに何か入れろと実田さんが毎日のように……」