第二のポイントは、電力量料金を第2段階料金までにとどめることだ。今回の値上げ申請でこの電力量料金単価が引き上げられるが、第1段階料金の値上げ率は7.2%、2段は12.5%、3段は22.5%と、累進課税と同じように段階が上がるほど値上がり率が高くなる。

3段料金(月300キロワット/時以上)までいくことを防ぐためには、消費電力が大きく長時間使う電気製品をリストアップし、電気料金のうち大きな割合を占める家電に的を絞って節電することだ。一般的には、エアコン、冷蔵庫、テレビが家庭の電気料金のほぼ半分を占めるので、特に夏季はこれらの家電の使い方や利用時間に気をつけると効果が高くなる。

エアコンは消費電力が大きく、家庭の電気料金の4分の1に当たる。エアコンは立ち上がり時に最も電力を使うが、温度が安定しだすとそれほど電力はかからない点にも留意したい。小まめにスイッチを切ったり、最初に低温に設定して涼しくなってから上げたりすると逆に電力がかかる。立ち上げ時から設定温度を28度程度に保ち、自動清掃機能がついていない機種の場合は月2回程度フィルター清掃を行うと、夏の4カ月間だけで約1120円の節電効果がある。扇風機の電力は一晩中使っても5~6円程度。上手に併用するのがおすすめだ。

電源を切ることが難しい冷蔵庫だが、上に物を置かない、壁から離して設置する、設定温度を「強」から「中」に変えるだけでも、年間の電気料金は約3960円も安くなる。

テレビをついつけっぱなしにしてしまう家庭もあるかもしれないが、見ないときはなるべく消す習慣をつけることだ。42インチ型のプラズマテレビをつける時間を1日1時間減らすと年間で約1240円の節約になる。また、電気料金の約6%を占める待機時消費電力にも要注意。夏には不要の温水洗浄便座のヒーターやガス給湯器のスイッチ、使っていないAV機器の主電源などを切ることも年間では大きな節約につながる。

(構成=ロイチョウドゥーリ・邦子)
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