「健康」「手軽」で評価される塩麹

私は「自家製」に元々関心が強くて、数年前からは糠床を、おととしからは味噌を育てています。昨年4月に仕込んだ味噌(本当はもう少し早い時期に仕込むのが一般的です)が、1年近くの熟成を経て、ようやく食べられるようになりました。実際はプロがつくったものの方が当然完成度は高いのでしょうが、「手前味噌」という言葉がある通り、自分の手がかかったものには何とも言えない思い入れが生まれておいしく感じられるものです。「ロハス」や「スローライフ」、「エコ」のような言葉に反応する層の中には、こうした手づくりに惹かれる人も多いことでしょう。

さて、昨年あたりから、塩麹がにわかに注目を集めています。そもそも塩麹とは塩と麹と水を混ぜて発酵・熟成させたもので、素材を漬け込んだり、あるいは塩代わりにそのまま味付けに使ったりできる万能調味料です。肉や魚を漬けるとタンパク質が分解されて旨味が増すことや、塩味だけではなく深いコクが足されることもあり、支持される最大の理由がそのおいしさにあることは間違いありません。それに加えて3つの要素があるように思えます。

1つ目は「健康」という要素です。塩をそのまま使うのに比べて純粋な塩分を控えることができるとともに、塩麹にはビタミンやアミノ酸が含まれていますから、体に良い成分を摂取するという点も評価されています。後者は麹を使った甘酒が「飲む点滴」として注目されている点ともリンクしています。

2つ目は「製造・管理の容易さ」です。例えば味噌をつくることを考えてみると、大豆を一晩水に浸してからじっくり煮て、ペースト状になるまで潰して、さらに空気を抜きながら容器に詰めるというステップが必要ですが、仕込む量によっては半日~一日仕事となってしまいます。あるいは糠床であれば頻繁に手でかき混ぜる必要があります。それに比べて、塩麹は材料を混ぜるだけであとは時折スプーンでかきまわすだけ。つくるのも管理するのも大変楽チンなので、トライするハードルは極めて低いと言えます。