2012年8月7日(火)

「年代・役職別」昇進・抜擢・左遷のポイント大公開【1】

人事部、上司は、あなたのどんな行動に注目しているのか?

PRESIDENT 2010年10月4日号

著者
溝上 憲文 みぞうえ・のりふみ
ジャーナリスト

溝上 憲文1958年鹿児島県生まれ。ジャーナリスト。明治大学政治経済学部政治学科卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』(文春新書)で2013年度日本労働ペンクラブ賞受賞。主な著書に『隣りの成果主義』『超・学歴社会』『「いらない社員」はこう決まる』『「日本一の村」を超優良会社に変えた男』『マタニティハラスメント』『辞めたくても、辞められない!』『2016年 残業代がゼロになる』など。近著に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社刊)がある。

執筆記事一覧

ジャーナリスト 溝上憲文=文 小原孝博=撮影
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仕事の能力か、上司との関係性か……すべてにおいて変化の著しい現代のビジネスシーンで出世するためには、どんな能力が必要なのか? 各年代ごとに求められる、出世のための条件を考える。

抜擢昇進がある一方降格人事もあり

パーソネル・ブレイン代表取締役
二宮 孝

人事労務コンサルタント。1955年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒業。東証一部上場商社人事部、米国系メーカー人事部、ダイヤモンドビジネスコンサルティング(現在、三菱UFJリサーチ&コンサルティング)などを経て独立。近著に『雇用ボーダーレス時代の最適人事管理マニュアル』(中央経済社)がある。

人事コンサルティング会社パーソネル・ブレインの二宮孝代表取締役は「IT産業など情報社会の進展やグローバル化による経営のスピード化を背景に昇進年齢が早くなっている。外資系企業では30歳そこそこで課長というのは珍しくないし、日本企業も年功的昇進を廃止し、若くして課長に抜擢しようという企業が増えている」と指摘する。

昇進の早期化により、先輩を追い越して課長になるという“下克上”現象はもはや珍しくない。もう一つの変化は人事制度の変更により、抜擢昇進もあれば降格もあるという仕組みの導入である。彼なら課長の職責が果たせると見なせば若くして課長に抜擢する一方、逆にその任を果たせなければ降格するというように柔軟に役職を変更する。

「私は役割変更と呼んでいるが、人間としては平等でもその時点のミッションで役割を変えるというもの。したがって役割を降りても一生干されるわけではなく、再び浮上することも可能な再チャレンジの機会も与えられている」(二宮氏)

同様の制度を導入している医療機器メーカーでは課長職の場合、5段階の人事評価ランクで、2年連続で下から2番目の評価を受けるとイエローカードが発行される。3年目も同じ評価ないし一番下のランクの評価を受けると降格の対象になる。同社の人事担当者は「役割に見合った能力を発揮していないということで落としている。1ランク下の役割に落とすが、過去には2ランク下に落ちた社員もいる。もちろん、その後、再チャレンジして昇格した人もいる」と語る。

2つ目の変化は、事業規模の縮小や組織のフラット化に伴うポストの減少である。右肩上がりの成長が続き、事業規模が拡大していた時代はポストも増加したが、もはやそんな時代ではない。

「ポスト削減の傾向にあるのは間違いない。そうなると組織を統轄するライン長は一人で十分なので、ライン管理職になれない人の処遇が大きな課題になっている。現在、企業が取り組んでいるのが管理職の複線型、つまりライン管理職ではないが、スタッフ管理職ないしは専門職課長として処遇するものだ」(二宮氏)

たとえばベネッセコーポレーションは社員の等級をプライマリ、アドバンス、シニアの3つのグレードに集約し、シニアの中にライン管理職だけではなく、専門職として活躍する人も含めた。改めて管理職を「部下を持つ人事管理責任を負う人」と定義し、管理職に任用された人は「管理職加算」という別枠で管理職手当を支給している。これは管理職が特別な存在ではなく、あくまで1つの役割と柔軟にとらえることで、専門職としてのスキルを伸ばしたいという社員の意欲を持たせようという仕組みでもある。

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