たとえば運輸省が、自動車免許を高校で正規の教科で与えてしまおう、という本来あるべき議論を始めたとしよう。当然既存の自動車学校はつぶれてしまうから、それは陽の目を見ないだろう。またそうすれば免許が文部省の管轄になってしまい、運輸省は、教習所業界からの支援が得られなくなる。だからその種の議論を好きこのんで運輸省がするはずがない。すなわち日本の省庁は、「運営の基本構図」からいって、国民の立場に立って当該事項を検討するということがもともとできないようになっているのである。