筆者の経験では、企業戦略家が認識しなければならない主な制約は少なくも三つある。現実(reality)、熟成度(ripeness)、資源(resorces)がそれであり、三大Rと名付ける。まず“現実”から考えてみよう。科学的概念や創作的芸術の場合と異なり、企業戦略では、すでに繰り返し述べたとおり、顧客、競合相手、そして自社の能力分野を常に意識しなければならない。(中略)

“熟成度”はタイミングの問題であり、企業戦略家が取り組まなければならない第二の重要な考慮条件となる。どのような戦略を考案しても、そのための時期が熟していない限り失敗に終わることは、ほとんど目に見えている。(中略)

第三のRとして“資源”も、明らかに制約条件となる。このハッキリした条件を、企業戦略家がよく無視したり、見落としたりするのは、驚くべきことである。自社の資源の限界を認識しなかったため、失敗に終わった企業戦略の例は実に多い。