西欧の企業は株主を会社の“所有者”と認め、労働者を“雇い人”とみなしている。

しかし日本人の目からみれば、会社とは人間の集団にほかならない。その場合の人間は“社員”つまり会社を構成する仲間と呼ばれ、単なる雇われ労働者ではない。いっぽう株主は資金と投資意欲をもった金貸しグループで、銀行と同様一つの資金源に過ぎない。会社が集団として生き残り、知恵を発揮することに賭けて投資しているのである。

日本のトップ経営者の中には、「経営者として主な責任は何か」と問われた場合、「社員の福祉向上のため努力すること」と答える者が少なくない。経営者の目から見て、株主は銀行より大して高い地位に置かれていない。実際のところ、日本ではトップ経営者も、工場の従業員とあまり変わらない形で雇われている場合が多い。