30代後半から40代になると、仕事ができる人、できない人の差が出てきます。なかには、「仕事ができるのに出世できない」と不満を募らせている人もいます。それは、本人が思っている「できる」レベルと、周りが「できる」と感じるレベルに差があるからです。

私は話し方の講師としてたくさんの働く女性を見てきましたが、女性の場合は特に、上司から指示された仕事やルーチンを上手にこなすのを「仕事ができる」と誤解している人が多いようです。しかしこれでは、便利な部下ではあっても出世はできません。

仕事ができないと思われてしまう女性には、3つ改善すべきポイントがあります。「判断能力」「叱り方」「話し方」です。

まず必要なのは、判断する能力です。周りに認めてもらうためには、指示された仕事だけをするのではなく、自ら判断して仕事を進めることです。目の前の仕事に気を取られず、全体像を見たうえで自ら判断する力を養いましょう。仕事以外でも、趣味やボランティアなどの場で判断力が問われることに携わり、力を磨いておくのも手です。

さらに大人数のチームのやる気を出させ動かしたければ、後輩や部下に判断業務を教えることが必要です。そのときも、「自分で判断して仕事を進めなさい」と言うだけではなく、まずは判断するための選択肢を出させます。

たとえば、お客様から無理な要求があった場合、部下本人に対応方法を3パターン考えてもらいます。そして、それぞれのメリットとデメリットを書き出し、理由を納得させながら正しい方法に導きます。

こうして判断の方法を教え、「間違ったときは私が責任を持つ」と励まします。また、常に「迷ったらいつでもすぐに相談して」と伝えましょう。