──代表監督を退いたとき、日本代表への希望はありますか。
「私が注目しなければ選手も私に注目しない」というザッケローニ氏。(PANA=写真)

代表チームを離れる前までに、「ザッケローニが率いたから、これがある」「これができる」という痕跡を、選手にもチームにも残したい。サッカーは常に進化します。私の次の監督が新たな指導を行うことで、チームはさらに進化していくでしょう。次の進化の土台となる何かを残したいのです。監督を退いてしばらく経って、日本代表の試合を観戦したとき、その片鱗が見られたら嬉しいでしょうね。

──最後に、読者に一言、メッセージをお願いします。

サッカーは一国の経済とともに成長していくという面があります。国が豊かになれば国内リーグの財政が豊かになり、海外から優秀な外国人を連れてくることができます。その外国人のプレーに接し、あるいはプレーを見ることで、若い世代が上達し台頭してきます。皆さんこそ、日本の経済を活性化させ成長させる原動力にほかなりません。日本のサッカー界のためにも、日々の仕事を頑張ってください。

(神戸大学大学院経営学研究科教授 高橋 潔=インタビュー 萩野進介=構成 若杉憲司=撮影 PANA=写真)
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