年間来場者2200万、東京ディズニーリゾート(年間約2500万人)に迫る集客数を誇るイケアが、国内6店舗目をオープンさせた。同店の立ち上げを密着取材した。北欧の巨人が放つ次の一手とは?
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1月12日:売り場はまだがらんとしている。数人のチームで1つのベッドを組み立てる。背中には「わくわくが、家にやってくる」の文字。/4月11日:週単位の作業目標を積み上げ、3カ月後には店舗が完成。組み立てられたベッドにシーツがかけられ、値札や商品説明の表示も。

福岡新宮店の売り場面積は約3万2000平方メートル。およそ9500の商品を販売する。世界中で新店オープンの経験が豊富とはいえ、これだけの規模の店を開店にこぎつけるのは、かなりの力作業だ。

開業5カ月前の11年12月9日、建物の受け渡しがあり、商品も搬入され始めた。

新規採用された未経験者が多いため、作業に応じて随時、国内各店から支援スタッフが福岡入りした。

12月中旬から1月中旬にかけてラックや商品が搬入され始める。さらに家具のピッキングや組み立てが2月下旬まで続く。この時期に訪れると、イケアのシャツを着た従業員たちが、慣れない手つきで大型家具を組み立てる姿があった。週単位でどこまで組み立てるか目標があり、それをめざして作業を進めていく。

「当初は順調でしたが、やがて予定通りにいかないケースも目立ち始めた。そのときは予定した段取りをあきらめて、別の作業を優先させました」(辻さん)

2月20日から3月30日までの1カ月強は店内の仕上げ段階となる。

この時期に活躍したのが「ビルドアップチーム」と呼ばれる、各国から福岡入りした従業員たちだ。

グロリア・ヤンさん(35歳)もその1人。コミュニケーション&インテリアデザイン部門でグラフィックを担当した。グローバルで共通している「イケア流」を伝えて店舗の統一感を出すコンサルタント的な役割も担った。

98年の入社以来、北京やオランダのイケアに勤務。各国で店舗立ち上げをサポートした豊富な経験を持つ。

「欧州ではスウェーデン、ブルガリア、ギリシャ、キプロスも担当。アジアでは台湾や香港、タイ、そして日本では福岡新宮が4店舗目になります。今までに30以上の店舗に関わってきたけど、店内のデザインに自分の経験や知識を入れながら関わるのは、非常にやりがいがあります」