電子書籍の市場が急角度の右肩上がりで伸び続けている。2002年度にはわずか10億円だったが、昨年度は574億円と、前年度に比べ23.7%増だった。この調査を行ったインプレスR&Dの推計では、13年度には1000億円を突破し、翌14年度には1300億円規模になるという。

電子書籍市場規模
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電子書籍市場規模

同社インターネットメディア総合研究所の高木利弘客員研究員は「これまで国内市場はコミックが牽引してきた。その理由として、03年末に第三世代携帯電話が登場し、高速での画像送信が可能になり、同時にパケット定額制が導入されたことが挙げられる。いわば日本の電子書籍はコミックとケータイがセットになって伸びたわけだ」と語る。

一方、国外に目を向けると、昨年はアメリカでアマゾンの電子書籍用専用端末「キンドル」が一大ブームを巻き起こした。その日本語対応版も、今年8月にリリースされたことは記憶に新しい。一方アップルは、今年に入ってタブレットPC「iPad」を発売。いずれも文芸書などのコンテンツをインターネットで直接購入でき、価格もハードカバーより安い。

こうした“黒船”の上陸を受けて日本国内では、ようやく大手印刷会社や出版社が中心となり流通・販売に取り組みだした。高木氏は「まず、新刊ベストセラーがスムーズに買えて、読めるプラットフォームづくりが必要。価格も、市販の本の7割程度に設定すれば、紙から電子への移行も進むだろう。国内勢も来年には本格稼働したいはず」と見ている。