「書庫」の仕事効率化ツール大公開

【A】継続テーマは床に直置き/簡単に片付かないテーマは、毎日通りかかる場所に資料を置いて、自動的に目に留まるようにしておく。このときは普天間基地の移設問題に関する資料が立てかけられていた。手前に置いているのは山口誠『グアムと日本人』(岩波新書)。

【B】課題本は「再編集」する/章立てが悪く、目次が用をなさない書籍もある。写真の本は『そして殺人者は野に放たれる』の執筆時の参考文献。論旨をクリアにするため、ラベルを貼って「再編集」した。自分とは正反対の意見をもつ人の著書ほど、徹底的に読み込むことが重要。

【C】サイズは無視して中身で分類する/ジャンルに応じて資料を並べているため、ときには単行本の横に雑誌が差し込まれることもある。背表紙が見えなくなることは避けるべきだが、見た目の乱雑さは、「機能美」を損なうわけではない。

【D】背表紙が見渡せる薄型書棚/日本語で書かれた本の奥行きは99%が15cm以内に収まることがわかっている。愛用の「ロング書棚」は上部の奥行きが17cmで、労せず収納した姿が美しい。自身のウェブサイト「ガッキィファイター」で読者向けに販売したこともある。

※すべて雑誌掲載当時

作家・ジャーナリスト
日垣 隆

1958年、長野県生まれ。『そして殺人者は野に放たれる』で新潮ドキュメント賞受賞。愛用ツールについては近著『知的ストレッチ入門』(新潮文庫)に詳しい。
(構成=山川 徹 撮影=小原孝博)