このように市場密着の多地域企業への動きは不可避であるが、それと同様な必然性をもっているのが、OECD市場に起こりつつある一つの決定的変化である。そこでは四億五千万の消費者が一団となり、共通の要求、好み、願望を抱きながら出現しつつある。製品の開発に当たっても、一体化した世界市場を対象とすることが可能になった。

こうした戦略はすでにソニー、キヤノン、テクニクス、リーバイなどにより採用されている。これらをはじめとする新種族の多国籍企業は、先進諸国の世界を戦略上から基本的に一つの共同市場とみなし、その枠内で各国の事情に応じてキメの細かい戦略を展開しているのである。