企業参謀が疑問を投げかけるべき常識的思考は、このほかにまだいくらもある。その「なぜ」に対して容易に答えがみつからない場合には、これこそチャンスと思うべきである。専門家に聞いても満足な答えが得られないとすれば、それは常識がみなの頭を支配し、思考を阻害している可能性が強い。この障害を除けば、企業参謀は自由に別の方式や製品設計の実施可能性を検討できるはずである。

こうした“別法”をいろいろ考案し、ハッキリ紙の上に書いてみれば、それが果たして実施可能かどうか、容易に答えを出すことができよう。紙に書くことでいろいろな前提条件がハッキリし、市場調査や必要な技術開発の研究を通じて立証ないし反証を行なえるからである。それから先は、基本的にただ地道な努力を続けるだけで、新しいアイディアを具体的な製品ないし営利事業に開花させることができよう。(中略)

物事本来の基本に立ち戻って従来の常識に挑戦してみることが、真に決定的な革新を生むための重要な手掛かりになり得る。むしろ膠着状態の中でこそ、器量の大きい経営者は常識にとらわれず自由に創造性を発揮して戦略的思考を展開することにより、ゲームの新しいルールを発見、発明することができるのである。それには自己の才能を最大限に駆使する必要があろう。