企業戦略家が膠着状態の市場からの脱出方法を探し求めている場合、一つの道は、製品や市場に関する従来の考え方に真っ向から挑戦することである。

市場がまだ伸びつつあるときには、こうした常識的な考え方や既成概念が、確かに成功への前提条件を反映していたのかもしれない。しかし今日ではそれが、企業の戦略的発展性を縛る足かせになっている場合がある。したがってシェアの膠着状態から脱するため、企業戦略家はときには思いきって足かせを打ち破る必要があろう。たとえ常識に逆行するようにみえても、とにかくやってみる必要がある。(中略)

膠着状態打破の秘訣を呑み込むには、まず自社の置かれた製品・市場環境の中で“常識”とされている観念を残らず数え上げ、一覧表にしてみるとよい。その一つ一つを覆す手段方法が考えられるかどうか、試してみるのである。一つのやり方として、現在行なわれている方式が“なぜ必要か”を自問してみよう。頭に浮かんだ方法を“なぜ”“なぜ”と五回も問い続けていけば答えが出る。“頭の体操”の意味で、第五章の内容を次に思い返してみよう。