日本の事業家たちの口ぐせとして、経営の三要素にはヒト、カネ、モノがある、というのがある。モノは固定資産や技術を意味する。彼らは、これら三つの重要経営資源がありすぎて無駄になる心配もなく、よくバランスが取れていれば、円滑な会社経営ができる、と信じている。

たとえば、有能な人たちが理性的に使うことができる以上のあり余った金は、無駄になるだけである。同じく、十分に金もないのに管理者が多すぎれば、エネルギーが使い果たされてしまい、限られた資金をめぐって、時間ばかり無駄にしてしまう書類作りに仲間たちを引き込む結果になる。

三つの重要資源のうち、資金の割当ては最後に行なわれるべきである。会社は、工場、機械、技術、製法上のノウハウ、機能力など、手に入るモノに基づいて、まず経営の才のある人材の配分を行なわなければならない。

こうしたヒトたちが想像力に富んだ創造的なアイデアを生み出し、事業の上昇力の発端をつかんだら、今度はカネの出番となる。個々の管理者が作り出したそれぞれのアイデアや計画に、資金を割り当ててやればいい。