一つのシステムの価値は、どんな場合にも、その利用法の如何によって決まる。PPMもまた、例外ではない。PPMはずいぶん批判されているが、批判者はPPMを本当の意味で利用したこともなければ、研究したこともない人たちばかりである。

座標点がなぜそこにあるのか、その理由を理解することに十分留意し、各事業の自社他事業との関係をはっきり把握して、ひとつひとつの事業について創造性を生かすようにマトリックスを使えば、PPMはきわめて有用なものになりうるのである。

ところが、会社の重役や計画の立案に当たる人たちには、出世の階段を昇ることに忙しくて、多角化した自社の“ポートフォリオ”の個々の事業を理解しようともしない者が多すぎる。PPMは、元来、投資ポートフォリオのために考えられたもので、投資の優先順位を決定するための道具だったのに、彼らの手にかかって、ある事業を潰し、ある事業を盛り立てるための道具に捻じ曲げられてしまった。彼らは、純粋に会社の財務的業績を極大化するためにPPMを利用したのである。