もしも重大な変化が起こったら、まず最初に、その原因となっている諸種の力を分析し、競合他社に一歩先んじて環境を“読む”ことができるよう、将来にわたって分析の結果を当てはめ、検討しなければならない。

政府の施策によって、あるいはエネルギー危機などの経済的な不連続現象によって、市場の環境条件に突発的な変化が生じたら、企業の経営陣は、その結果開かれる可能性のある新たな事業機会を万が一にも先取りし損なうことがないよう、生じた変化が戦略の変更なり、時宜に適した処置なりを必要としていないかどうか、あるいはその両方が必要ではないか、よく考えてみる必要がある。

顧客に基礎を置いた戦略は、あらゆる戦略の基本である。長い間に変化する顧客の本質的要求をそのまま客観的に観察しなければ、いつか競合他社に現状の打破を試みる余裕を与えてしまう結果になるだろう。したがって、企業は株主その他の利益をおもんばかる前に、まず顧客の利益を念頭に置かねばならない。これは自明の理である。

長い目で見るとき、顧客に真に関心を持つ企業こそが、株主にとってもおもしろい会社、ということになるのである。