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ストレスの現状を把握する

例えば、毎日がストレスで押し潰されそうという40歳の営業マンA氏は、次のような原因を挙げた。

●不況で商品がさっぱり売れていない
●リーダーなのに、自分のノルマが達成できていない。これからも達成する自信がない
●最近、部下の売り上げが落ちている
●部下からの報告が少なく、何を考えているのかわからず、コミュニケーションが取れない
●先月はノルマを達成できず、このままでは自分を抜擢してくれた社長の期待に応えられず申し訳ない
●今期は営業部のノルマが達成できそうにない
●リーダーをやめたいが、やめられない

なるほど、これではA氏もストレスがたまるはずだ。しかし、こうやって書き出して眺めるだけで、際限なくあると思っていた悩みが、実は限られた数であることがわかる。ストレスの原因が“見える化”されるだけで、ずいぶん楽になるものだ。

次に、書き出したストレスの原因を「事実」と「思い込み」、そして思い込みから生じる「感情」に分解する。

例えば、「不況で商品がさっぱり売れていない」の場合、「不況」であることも「さっぱり売れない」ことも事実であるが、不況「だから」さっぱり売れない、と因果関係にしているのは、A氏の「思い込み」である。その思い込みから非常にネガティブな「感情」が生まれている。

つまり2つの独立した事実の間に、勝手に因果関係をつくり出し、それを嘆いているのだ。