日本のベンチャー投資では珍しい「優先株」とは

米国をはじめ世界のベンチャー投資では「優先株」を使うのが常識となっておりますが、日本では普通株式での投資がフツウです。

米国では、ベンチャーが投資を受ける際に「優先株」が使われることが基本になっています。この米国での投資実務が世界のデファクト・スタンダード的な存在になっているので、中国やシンガポールなど、他の世界の各国でのベンチャー投資も、優先株で行われることをよく見聞きします。

ところが日本を見てみると、ベンチャー投資に優先株が使われることは非常に少なく、ほとんどの投資が普通株によって行われています。これにはいろいろな要因が考えられるのですが、創業者も投資家も、またベンチャーをサポートする専門家も、優先株がなぜ必要なのか、どういう設計にするとどういう結果になるのかが今ひとつ腑に落ちていないのではないかというのが最大の原因なのではないでしょうか。つまり、解決策は、「ベンチャーの投資の件数を増やす事」「それによってベンチャーの生態系[ecosystem]を拡充させる、ということに尽きると思います。

●優先株とは

優先株は、日本の会社法で「種類株式」と呼ばれているもの(の一種)です。会社法上の用語は「種類株式」で、「優先株」や「普通株」という言葉は会社法には出て来ないです。

配当や議決権等について普通株とは違った条件が付いているのですが、ベンチャー投資として利用するものとしては、中でも、投資家と創業者の「取り分」を調整する機能が最も重要な条件の一つです。
具体的には、残余財産分配権や、種類株式1株を何株の普通株に「転換」するかの調整式などがキモとなります。